同一患者にBCS型とCR型を使用し両側同時人工膝関節全置換術を施行した術後短期成績

Bi-cruciate stabilized versus cruciate retaining total knee arthroplasty in the same patients

要旨：本研究の目的は左右異なるインプラントを使用し，一期的両側同時人工膝関節置換術（TKA）を施行し，術後短期成績を比較検討することである。内側型変形性膝関節症23例46膝に対して，無作為に右膝にbi-cruciate stabilized人工膝関節全置換術（BCS-TKA），左膝にcruciate retaining人工膝関節全置換術（CR-TKA）を割りあてた。検討項目は術前，術後1年における2011 Knee Society Score（KSS），Western Ontario & McMaster Universities Osteoarthritis Index（WOMAC score）と術後6カ月におけるForgotten Joint Score（FJS-12）および膝伸展筋力とした。術後6カ月における膝伸展筋力およびFJS-12において，BCS-TKA群はCR-TKA群より有意に高値を認めた。BCS-TKAはCR-TKAより，術後6カ月において大腿四頭筋筋力の回復は早く，インプラントに対する意識が消失したことが示唆された。