Japanese
English
臨床経験
先天性橈尺骨癒合症を合併した先天性拘縮性くも指症の1例
A Case of Congenital Contractural Arachnodactyly with Congenital Radioulnar Synostosis
西山 正紀
1
,
半田 忠洋
1
,
二井 英二
1
,
山崎 征治
2
,
矢田 浩
3
Masaki Nishiyama
1
1三重県立草の実学園整形外科
2上野総合市民病院整形外科
3山本総合病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery Kusanomi Gakuen Hospital for Crippled Children
キーワード:
arachnodactyly
,
くも指症
,
joint contracture
,
関節拘縮
,
radioulnar synostosis
,
橈尺骨癒合症
Keyword:
arachnodactyly
,
くも指症
,
joint contracture
,
関節拘縮
,
radioulnar synostosis
,
橈尺骨癒合症
pp.1087-1089
発行日 1996年9月25日
Published Date 1996/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902003
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抄録:先天性拘縮性くも指症は,くも指,多発性関節拘縮,耳介変形,脊柱変形等を主徴とする症候群である.本症に橈尺骨癒合症を合併した1例を報告する.症例は,生後8カ月の男児.右肩,右肘関節の拘縮を主訴に当科紹介となった.耳介の特異な変形(crumpled ear)を認め,手指はやや細長く,屈曲拘縮を認めた.metacarpal indexは6.5と高値を示した.また,足趾もやや細長く,前足部に軽度の内転変形がみられた.右肩,右肘に屈曲拘縮,右前腕は回内30°での強直を認めた.X線所見では,Kienböck Ⅱ型の橈尺骨癒合が認められた.本症例は,先天性拘縮性くも指症に先天性橈尺骨癒合症を合併した極めて稀な一例である.われわれの渉猟し得た範囲では過去にその報告例はない.本症例は,右上肢の運動制限を主訴に来院したが,先天性橈尺骨癒合のみられる場合,合併奇形の頻度も高いため,より全身的な検索が重要と思われた.
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