Japanese
English
特集 運動器の健康と栄養
ビタミンDと運動器の健康
Role of vitamin D for skeletal health
田中 清
1
,
青 未空
2
,
桒原 晶子
3
Kiyoshi TANAKA
1
,
Misora AO
2
,
Akiko KUWABARA
3
1神戸学院大学栄養学部
2京都女子大学大学院家政学研究科,生活環境学専攻 食物栄養学領域
3大阪府立大学地域保健学域,総合リハビリテーション学類 栄養療法学専攻
キーワード:
Vitamin D
,
Osteoporosis
,
Sarcopenia
Keyword:
Vitamin D
,
Osteoporosis
,
Sarcopenia
pp.1065-1071
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000574
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:くる病・骨軟化症のような欠乏症を起こすより軽度のビタミンD不足であっても,骨折の重要な危険因子である。ビタミンD栄養状態の最も良い指標である血清25(OH)Dは,20ng/ml未満が欠乏,30ng/ml未満が不足とされ,欠乏・不足者の割合は極めて高い。『日本人の食事摂取基準』2015年版におけるビタミンD摂取の目安量は骨折リスクに基づいて定められておらず,5.5μg/日であり,アメリカ・カナダの食事摂取基準(15~20μg/日)や『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』(10~20μg/日)より低い。骨粗鬆症治療薬の臨床治験のほとんどにおいて,カルシウム・ビタミンDが併用され,これらの充足は薬物が十分奏功するための前提である。近年ビタミンDは筋力維持にも必須であることが明らかとなった。非椎体骨折のほとんどは転倒によって起こるので,ビタミンD不足は骨・筋肉の両方を介して骨折リスクを上昇させると考えられ,ビタミンD栄養状態の維持は,運動器の健康維持に欠かせない。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.