Volume 61, Issue 7 （June 2018）

整形・災害外科 61巻7号（2018年6月発行）

Japanese English

特集 Hip-Spine-Knee syndrome

脊椎固定術前後における骨盤矢状面傾斜変化 -―THAにおけるカップ設置の観点から― Change of pelvic sagittal inclination after spinal long fusion；from the point of view of cup fixation in total hip arthroplasty 坂井孝司 ¹ , 田村和則 ¹ , 濱田英敏 ¹ , 高尾正樹 ² , 海渡貴司 ¹ , 菅野伸彦 ² Takashi SAKAI ¹ , Masaki TAKAO ² ¹大阪大学大学院医学系研究科，器官制御外科学 ²同上，運動器医工学治療学キーワード： Pelvic sagittal inclination（PSI） , Total hip arthroplasty（THA） , Functional pelvic plane（FPP） Keyword: Pelvic sagittal inclination（PSI） , Total hip arthroplasty（THA） , Functional pelvic plane（FPP） pp.823-828

発行日 2018年6月1日 Published Date 2018/6/1

DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000510

PDF(1758KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

要旨：成人脊椎変形に対して仙骨を含む脊椎矯正固定術を施行した11症例（THA既施行2例含む）における術前後の骨盤矢状面傾斜（PSI）の変化を調査した。全例女性で，平均年齢は70歳（59～77歳）であった。仰臥位におけるPSIは，術前平均−1°（−20°～20°）から術後平均6°（−2°～20°）へ変化し有意に前傾していた（p＜0.05）。立位におけるPSIは，術前平均−18°（−33°～5°）から術後平均3°（−12°～16°）へ変化し有意に前傾していた（p＜0.05）。仰臥位から立位での変化量は，術前平均−17°±11°から術後平均−3°±3°へ減少していた。このように脊椎矯正固定術により立位でのPSI後傾は改善し，仰臥位での骨盤傾斜の変化量は少なかった。THA既施行2例について，仰臥位PSIは術前後で3°未満の変化で立位では後傾が改善し，カップ前捻は平均3.2°の減少で術後脱臼は生じていなかった。