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特集 THA―各種アプローチのコツとピットフォール
筋腱温存型のアプローチ
-―Direct superior approach(DSA)―
Muscle sparing posterior approach;direct superior approach(DSA)
青田 恵郎
1
Shigeo AOTA
1
1福島県立医科大学,整形外科・人工関節センター
キーワード:
Total hip arthroplasty(THA)
,
Direct superior approach(DSA)
,
Rapid recovery
Keyword:
Total hip arthroplasty(THA)
,
Direct superior approach(DSA)
,
Rapid recovery
pp.1047-1054
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001382
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要旨:DSAは主に共同筋腱を切離し,外閉鎖筋腱や腸脛靱帯を温存する後方アプローチである。そのメリットは温存筋腱によりTHAの安定性が得られやすく脱臼率が低いことや従来法である後方アプローチで起きうる下肢過延長になりづらい点,および術後の早期回復が得られる点である。本邦のようにTHAに至る原因の多くが亜脱臼性股関節症である場合でも適応率が高く,われわれは初回THAの約8割でDSAが可能である点もメリットであると考える。主にCrowe group Ⅰ-Ⅱの症例で,専用の器具をいくつか使用して行うが,従来法である後方アプローチを徐々に筋腱温存法にしていくことで合併症が少なくDSAを行うことができる。標準的な術後の回復は約7~10日後に荷重時の殿部痛が消え,杖なし歩行が可能となりうる。現在,約700関節に対してDSAによるTHAを行ったが脱臼例はない。DSAはいつでも外閉鎖筋やITBを切開し従来法に変えることができる点が最も安心できるメリットである。
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