ロボット支援下人工股関節全置換術

Robotic-assisted total hip replacement

要旨：当科にて経験した745例のMakoロボティック・アーム支援システム（以下，Mako）による人工股関節全置換術（THA）の短～中期成績を検討するとともに，若干の文献的考察も加えた。これらの検討によれば，THAにMakoを用いることでエキスパート外科医でなくともしっかりとした術前計画を立てることにより，高い再現性でCT-basedナビゲーション・システムを用いたTHAと同等以上の正確な手術が可能となった。さらにMakoを用いた多施設検討においても従来法によるTHAに比し，術後感染の頻度には差がなく，有意に術後脱臼の発生が減少していた。また，臼蓋リーミングの正確性の向上により骨盤への固定スクリュー使用本数を減じることが可能となり，スクリューやドリル使用時の血管損傷を回避することで，より安全な手術が提供できるものと期待される。