Japanese
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特集 手・手関節鏡手術の現状と未来
母指CM関節症に対するsuture-buttonを用いた鏡視下関節形成術
Arthroscopic management with suture-button in the treatment of thumb carpometacarpal joint osteoarthritis
橋村 卓実
1
,
藤尾 圭司
2
Takumi HASHIMURA
1
,
Keiji FUJIO
2
1地方独立行政法人 神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院,整形外科
2関西電力病院,脊椎外科・手外科・整形外科
キーワード:
Thumb carpometacarpal joint
,
Suture-button
,
Arthroscopic management
Keyword:
Thumb carpometacarpal joint
,
Suture-button
,
Arthroscopic management
pp.67-75
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000316
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要旨:母指CM関節症に対する治療法として種々の報告がなされる中,Yaoらにより報告されたsuture-button suspensionplastyによりさらに変化を遂げた。近年,われわれの施設でもsuture-buttonを併用した鏡視下関節形成術を施行している。手術方法としては,鏡視下に関節内滑膜切除と大菱形骨部分切除を行い,TightRope Mini®(Arthrex社)を用いてsuture-button suspensionplastyを追加する。特徴としては,① 大菱形骨の切除量は尺側のbeak(骨棘)の切除と関節面の硝子軟骨の切除にとどめ海綿骨が露出される程度にしていること,② デバイスはリスフラン関節用を用いて固定性向上を目指していること,③ suture-buttonの刺入は第2中手骨の関節面から1/3の位置を目指していること,である。本法での術後成績は短期ではあるが,良好な臨床成績を確認できた。術式の統一化,正確な適応,合併症,長期成績などの問題が残るものの,本法の低侵襲性と一定した臨床成績は母指CM関節症治療の選択肢となりうると考える。
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