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特集 これで完璧! 手の変形性関節症―最新のエビデンスから紐解く―
6.治療
鏡視下母指CM関節形成術
-―interposition arthroplasty―
Arthroscopic resection arthroplasty for the treatment of trapeziometacarpal osteoarthritis
恵木 丈
1
Takeshi EGI
1
1大阪府済生会中津病院,整形外科
キーワード:
Arthroscopy
,
Arthroplasty
,
Rhizarthrosis
Keyword:
Arthroscopy
,
Arthroplasty
,
Rhizarthrosis
pp.647-654
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000461
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要旨:母指CM関節症に対する鏡視下手術は1996年のMenonの報告に始まり,その価値は手術の低侵襲性を担保しながら良好な結果を獲得することにある。鏡視下手術の主なポイントは,① 大菱形骨切除量,② 靱帯再建などの関節制動,③ 腱球移植などのinterpositionの3点に集約できる。中手骨の沈み込みは大菱形骨の切除量に依存するので,3~4mm程度の部分切除が望ましく,LRTIに関するsystematic reviewなどから靱帯再建や腱球移植の有効性は乏しいので,それらの併用は合理的ではない。第1-2中手骨間に対して約4週間過牽引で仮固定を行うことが,hematoma and distraction arthroplastyのコンセプトを用いた有効な方法で,靱帯再建や腱球移植を併用することなく関節の安定化とinterpositionの醸成が図れる。術後1年で78%の症例が無痛となり,つまみ力は健側同等になり,quick DASH scoreは38点から11点に改善した。以上から鏡視下切除関節形成術は,低侵襲に機能改善が期待できる有用な術式である。
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