Japanese
English
特集 これで完璧! 手の変形性関節症―最新のエビデンスから紐解く―
6.治療
母指CM関節症関節固定術
Arthrodesis for carpometacarpal osteoarthritis of thumb
平澤 英幸
1
,
目貫 邦隆
2
,
酒井 昭典
2
Hideyuki HIRASAWA
1
,
Kunitaka MENUKI
2
1東京労災病院,整形外科
2産業医科大学,整形外科
キーワード:
Arthrodesis
,
Carpometacarpal joint
,
Thumb
Keyword:
Arthrodesis
,
Carpometacarpal joint
,
Thumb
pp.641-646
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000460
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:母指CM関節症に対する母指CM関節固定術は母指基部を安定させることで,優れた除痛,ピンチ力を得ることができる有用な手術法である。固定術式は様々報告されているが,筆者らは関節軟骨を切除,Kirschner wire 3本で関節を固定し,固定部の間隙には腸骨からの海綿骨移植を行っている。固定術の中長期成績を評価するため,術後4年以上追跡しえた10例15指を調査した。平均経過期間は10.2年で固定関節の疼痛は全例で消失,隣接関節の明らかな疼痛の出現も全例で認めなかった。握力は対側比平均107.7%,lateral pinch力は対側比平均105.6%,Hand20 scoreは平均22.3点であった。単純X線像では,CM関節は全例で骨癒合しており,隣接関節ではSTT関節で6指に関節裂隙軽度狭小化を認めていた。MP関節では関節症性変化は認めなかったが,尺側または橈側偏位を全例で認めていた。この変化は,手の使用目的に合わせた適応反応の結果であり,緩徐に進行しているため疼痛を認めなかったと推測された。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.