母指CM関節形成術

Thumb carpometacarpal（basal）joint arthroplasty

要旨：LRTI（ligament reconstruction and tissue interposition arthroplasty）法は1986年に報告されてから30年超，依然として母指CM関節形成術の主流であり，種々の変法が報告されている。当科では，保存療法抵抗性のEaton stageⅡ以上の母指CM関節症に対し，FCR腱の代わりに遊離PL腱を用いたLRTI変法を行っている。3週間のKirschner wire固定ののちに自動運動から可動域訓練を開始し，2カ月で日常生活での制限をなくしている。28例の経過では，使用時疼痛VASが術前平均76mmから術後1年で8mm，安静時疼痛VASも術前平均35mmから術後1年で1mmに改善した。Side pinch力，tip pinch力，握力も術前比平均2.6倍，2.9倍，2.1倍と有意に増加しており，疼痛，筋力低下に対して有効な方法である。