特集 手・手関節鏡手術の現状と未来
TFCC尺骨小窩断裂に対する鏡視下縫合術
河合 生馬
1
,
岸田 愛子
2
,
勝見 泰和
2
,
藤原 浩芳
3
,
久保 俊一
3
Ikuma KAWAI
1
,
Aiko KISHIDA
2
,
Hiroyoshi FUJIWARA
3
1宇治武田病院,整形外科
2十条武田リハビリテーション病院,整形外科
3京都府立医科大学大学院医学研究科,運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
キーワード:
Triangular fibrocartilage complex
,
Arthroscopic repair
,
Mattress suture
Keyword:
Triangular fibrocartilage complex
,
Arthroscopic repair
,
Mattress suture
pp.31-39
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000311
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要旨:三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷の中でも,尺骨小窩における断裂は重要な修復の対象であるが,その解剖学的位置,構造から縫合は容易ではない。ことに幅広くマットレス縫合することは困難であった。われわれが独自に考案した鏡視下縫合術(以下,本法)は,18ゲージカテラン針(以下,カテラン針)を用いてスーチャーアンカー(以下,アンカー)縫合糸を幅広くマットレスにかける方法である。アンカー設置と掌尺側の神経血管束を避けるために,背側掌側それぞれに小切開を要するが,橈骨手根関節は開放しないため低侵襲である。特殊な器械は不要で,材料は安価である。自験例では比較的安定した成績で重大な合併症はなかった。手術操作はやや煩雑で,習熟には一定期間を要する。
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