Japanese
English
特集 手・手関節鏡手術の現状と未来
手関節鏡視下手術の工夫
Devices and tips of wrist arthroscopy
吉田 史郎
1
,
仲摩 憲次郎
1
,
松浦 充洋
1
Shiro YOSHIDA
1
1久留米大学医学部,整形外科
キーワード:
Wrist arthroscopy
,
Triangular fibrocartilage complex
,
Scaphoid nonunion
Keyword:
Wrist arthroscopy
,
Triangular fibrocartilage complex
,
Scaphoid nonunion
pp.51-60
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000314
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要旨:手関節鏡視下手術において,関節内骨折ではより正確な整復位の達成,TFCC修復術をはじめとする低侵襲な手技,screwのentry pointの決定,そして舟状月状骨間靱帯が質的に縫合可能か否かの評価はopen surgeryに勝り,多くの利点が挙げられる。さらに近年,鏡視下手術に伴うdeviceの進歩は目覚ましく,鏡視下手術において有用なツールが存在する。代表的な疾患外傷として,① TFCC小窩部断裂に対するfoveal repairである。専用デバイスも充実してきており,手技をより簡略化でき手術に要する時間を短縮することができる。② 舟状骨偽関節scaphoid nonunionにおいては小侵襲で骨移植まで完遂でき,舟状骨周囲の血流や靱帯を温存でき,今後主流になりうる手技と考える。③ 橈骨遠位端関節内骨折(AO type C)への簡略化,鏡視時間を短縮した鏡視下整復法,styloid first fixation techniqueを紹介した。④ 舟状月状骨間靱帯断裂(scapholunate ligament injury)に関しては,現時点ではすべて鏡視下手術下にて完遂できていないが,十分ポテンシャルをもった術式であり,今後,橈骨遠位端骨折に合併した靱帯損傷に対して従来の手根骨間固定に代わる術式になりうると考えている。
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