特集 ステロイド関連大腿骨頭壊死症の予防と新しい治療
大腿骨頭回転骨切り術後の関節症性変化の進行防止に向けた試み
久保 祐介
1
,
本村 悟朗
1
,
池村 聡
1
,
中島 康晴
1
,
山本 卓明
2
1九州大学大学院医学研究院,整形外科学分野
2福岡大学医学部,整形外科
キーワード:
Osteonecrosis/femoral head
,
Transtrochanteric rotational osteotomy
,
Femoral head collapse
Keyword:
Osteonecrosis/femoral head
,
Transtrochanteric rotational osteotomy
,
Femoral head collapse
pp.1401-1406
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000182
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大腿骨頭壊死症は青壮年期に好発するため,できる限り関節を温存することが望ましい。1978年に杉岡により発表された大腿骨頭回転骨切り術(TRO)は,圧潰した壊死部を非荷重部に回転移動する手術であり,関節温存には34%以上の術後健常部占拠率を得ることが必須とされている。一方で,十分な術後健常部占拠率が獲得された症例においても回転移動した壊死部の圧潰が進行するものが存在し,術後の関節症性変化の原因となることが報告されている。われわれは,大腿骨頭前方回転骨切り術を施行した症例において,術前の3 mm以上の圧潰が前方移動した壊死部の圧潰進行のリスクファクターであることを報告した。そこで現在は,TRO にリン酸カルシウム骨セメントを用いた人工骨充填を併用し,圧潰した壊死部の再球形化を行うことによるTRO 後の関節症性変化の進行防止を試みている。
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