特集 ステロイド関連大腿骨頭壊死症の予防と新しい治療
特発性大腿骨頭壊死症に対する成長因子を用いた再生医療
黒田 隆
1
,
猪原 登志子
2
,
向井 久美
3
,
浅田 隆太
4
,
秋山 治彦
5
,
松田 秀一
1
1京都大学大学院医学研究科,感覚運動系外科学整形外科
2京都大学医学部附属病院臨床研究総合センター,早期臨床試験部
3同上,開発企画部
4岐阜大学附属病院,臨床研究推進センター
5岐阜大学大学院医学研究科,病態制御学講座整形外科学
キーワード:
Osteonecrosis
,
Regenerative therapy
,
Growth factor
Keyword:
Osteonecrosis
,
Regenerative therapy
,
Growth factor
pp.1393-1399
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000181
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これまで特発性大腿骨頭壊死症に対する成長因子(bFGF)を用いた再生医療の研究を行ってきた。bFGF には血管新生活性や骨芽細胞前駆細胞の増殖があり,修復が困難とされる骨壊死部の組織修復を低侵襲治療で行うことをコンセプトとしている。家兎動物モデルでの検証を経て,ヒトでの臨床応用をまず2013年,探索的臨床試験として10例に施行した。これはStage 2 までの患者にbFGF を含有したゼラチンゲルを壊死部に経皮的に局所投与する最小侵襲手術で,ゼラチンゲルに含浸させることで局所での定着と徐放を可能としている。術後の投与後に壊死部の骨再生がみられ,良好な短期成績が得られている。安全性に問題はなく,2016年から医師主導多施設治験として64例を対象に投与を行い,現在,効果を判定する2 年間の観察期間に入っている。ここでは,先行10例の短期成績と医師主導治験の概要を述べる。
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