創刊60年記念特集 肩関節外科の進歩
Remplissage 法の適応と手技
一ノ瀬 剛
1
,
山本 敦史
1
1群馬大学大学院医学系研究科,整形外科学
キーワード:
Anterior shoulder instability
,
Hill-Sachs lesion
,
Remplissage procedure
Keyword:
Anterior shoulder instability
,
Hill-Sachs lesion
,
Remplissage procedure
pp.1275-1278
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000151
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
反復性肩関節脱臼に対する鏡視下手術は一般的手技となったが,依然として術後再脱臼は一定の確率で発生する。再脱臼の一つの大きな要因としてHill-Sachs 病変が挙げられるが,鏡視下に同病変部に後方腱板と関節包を縫着するremplissage 法が開発され,Bankart修復に追加する補強処置として一定の成績を挙げている。この処置の追加により術後の再脱臼率は低下するが,同時に肩関節の可動域制限,特に外旋制限を生じうる可能性が報告されている。当院においてもremplissage 法を併用した症例では再脱臼は認めないものの,非併用症例と比較して術後の挙上,外旋可動域は低下を示していた。Remplissage 法は大きなHill-Sachs 病変を有する症例において再脱臼の抑制に有用だが,術後に可動域制限を生じる可能性もあるため,オーバーヘッドスポーツを行う症例などに対してはその適応を十分に検討する必要がある。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.