鏡視下Bankart 修復術と組織再生 PGA シートによるAIGHL complex再生

反復性肩関節脱臼には200種類以上の手術方法が報告されている。多くの方法は残存組織を使用するか，健常組織を犠牲にするため，再脱臼の際選択枝が限られてしまう。特に，反復性肩関節脱臼症例で軟部組織の欠損が高度である症例においては，残存した組織のみで関節の安定性を得るには限界があり，欠損した組織の再生が必要であると考え，基礎的研究に基づいてPGAシートを臨床応用した。すなわち，反復性肩関節脱臼症例において，軟部組織の再生，特に下関節上腕靱帯前索複合体（AIGHL complex）の再生を目的としてPGAシートを臨床応用した。その結果，われわれの方法の臨床成績は良好であり，特に術後の外旋制限がなく，日常生活やスポーツ復帰にも有効であり，またその安全性も確認された。