特集 毛髪再生のメディカルサイエンス:毛は生やせるか?
毛髪再生技術の過去と現在 毛包原基の再生からアプローチした毛包器官再生
辻 孝
1
1東京理科大学総合研究機構
キーワード:
幹細胞
,
毛
,
再生
,
細胞間コミュニケーション
,
上皮細胞
,
器官形成
,
毛包
,
間葉
,
再生医学
,
幹細胞ニッチ
,
原基
Keyword:
Cell Communication
,
Epithelial Cells
,
Hair
,
Mesoderm
,
Stem Cells
,
Regeneration
,
Hair Follicle
,
Organogenesis
,
Regenerative Medicine
,
Stem Cell Niche
pp.1055-1060
発行日 2013年9月22日
Published Date 2013/9/22
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毛包は,胎児期の上皮・間葉相互作用によって誘導される器官原基から発生する器官の1つである.一般に,器官原基は胎児期にしか誘導されないものの,毛包は周期的に下部領域を再生するため,器官誘導能を持つ上皮性幹細胞と間葉性幹細胞が生涯にわたって維持されている.これら毛包幹細胞を用いて生物学的な毛包再生のプロセスを再現することができれば毛髪の再生治療が可能になると期待され,すでに20年以上にわたり研究が続けられてきた.筆者らは,生体外で上皮性幹細胞と間葉性幹細胞を精密に三次元的に細胞操作する“器官原基法”を開発し,歯や毛包,外分泌腺の機能的な再生を実証してきた.本稿では,これまでの毛包再生研究の進展とともに,器官原基法による毛包再生について解説したい.
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