創刊60年記念特集 肩関節外科の進歩
関節窩骨欠損を有する肩関節前方不安定症に対する鏡視下人工骨移植術
山田 真一
1
,
米田 稔
2
1星ヶ丘医療センター,整形外科
2日本医科大学,整形外科学
キーワード:
Arthroscopic artificial bone grafting
,
Anterior shoulder instability, Glenoid defect
Keyword:
Arthroscopic artificial bone grafting
,
Anterior shoulder instability, Glenoid defect
pp.1261-1268
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000149
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肩関節前方不安定症に対する手術加療を行う上で,関節窩の比較的大きな骨欠損は術後再発要因の一つであり,軟部組織の修復だけでは限界があると考えられている。最近烏口突起移行術が見直される傾向にあるが,筆者らは肩前方部分の解剖学的改変,なかでも烏口肩峰アーチの破綻は回避すべきであると考え,関節窩骨欠損に対して鏡視下に人工骨を補填材として移植し,Double Anchor Footprint Fixation(DAFF)法を用いてBankart 修復術を行っている。術式は本文内で詳述するが,人工骨の固定はDAFF 法のテクニックの応用であり,DAFF が行えれば特別な技術は必要としない。術後2 年以上経過観察をしえた25 肩(平均骨欠損率17.0%)で再脱臼は1肩(4.0%)であった。この再脱臼率は人工骨移植を始める以前の鏡視下Bankart法のそれと比較しても低く,人工骨移植の効果と考えられた。
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