研究
サルコペニアのスクリーニングを目的とした大腰筋横断面積計測の試み
岩村 真樹
1
,
横田 淳司
2
,
加藤 洋
3
,
松下 哲雄
4
,
冨岡 正雄
5
,
佐浦 隆一
5
1藍野大学医療保健学部,理学療法学科
2大阪医科大学生体管理再建医学講座,整形外科教室
3琵琶湖中央病院,リハビリテーション部
4藍野病院,放射線科
5大阪医科大学総合医学講座,リハビリテーション医学教室
キーワード:
Sarcopenia
,
Abdominal computed tomography
,
Cross sectional area of psoas major muscle
Keyword:
Sarcopenia
,
Abdominal computed tomography
,
Cross sectional area of psoas major muscle
pp.1035-1040
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000089
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腹部computed tomography(CT)上での大腰筋横断面積の計測によるサルコペニアの診断スクリーニングの可能性を検討した。Dual X-ray absorptiometry(DXA)と腹部CT 撮影を3 カ月の期間内に実施した女性80 名(75±11歳)を対象とした。腹部CT 上の大腰筋横断面積とDXA によって算出された筋肉量との関連を検討するために,DXA の結果により対象群をサルコペニア群と非サルコペニア群に分け,両群の大腰筋横断面積を比較した。サルコペニア群では大腰筋横断面積が非サルコペニア群と比較して有意に低値となったが,DXA で算出された全身筋肉量とCT 上の大腰筋横断面積の相関は中等度であり,全身筋肉量と腰部筋横断面積が高い相関を示すという先行研究とは異なった結果であった。大腰筋は他の筋群と比較して早期より萎縮が生じると報告されているが,全身筋肉量との関連性が中等度であり,大腰筋横断面積が早期にサルコペニアをスクリーニングできる指標かを明らかにするためには,さらなる検討が必要である。
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