臨床
軟部肉腫におけるリンパ節転移症例の臨床的特徴
塚本 有彦
1
,
江森 誠人
1
,
園田 智子
1
,
村橋 靖崇
1
,
加谷 光規
2
,
山下 敏彦
1
1札幌医科大学医学部,整形外科学講座
2羊ヶ丘病院
キーワード:
Soft tissue sarcoma, Distant metastasis
,
Lymphatic metastasis
Keyword:
Soft tissue sarcoma, Distant metastasis
,
Lymphatic metastasis
pp.1029-1033
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000088
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軟部肉腫におけるリンパ節転移の臨床的特徴とリンパ節転移の出現時期や治療介入が予後に影響するか検討した。対象は2005年から2015 年までに当科で治療を行った軟部肉腫症例のうち,リンパ節転移をきたした14 例である。男性が8 例,女性が6 例で,初診時年齢は平均60 歳(3〜89歳)であった。組織型は粘液線維肉腫が6 例,横紋筋肉腫3 例,未分化多型肉腫2 例,類上皮肉腫2 例,悪性末梢神経鞘性腫瘍1 例であった。リンパ節転移の出現時期は原発巣の大きさや外科的切除縁とは相関していなかった。リンパ節転移の出現時期が予後に影響していた。特に術後12 カ月以上経過してリンパ節転移が出現した症例では予後は良好であった。また,治療介入は予後を改善しなかった。本研究では症例数が少なく生存分析ができなかった。今後多施設間での症例の蓄積をもとに,軟部肉腫のリンパ節転移が示唆するさらなる臨床病理学的特徴を明らかにしていく必要がある。
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