特集 非定型大腿骨骨折の病態と治療
がん骨転移例に対する骨修飾薬投与と非定型大腿骨骨折
時崎 暢
1
,
河野 博隆
1
1帝京大学医学部,整形外科学講座
キーワード:
Metastatic bone tumor
,
Bone modifying agent, Atypical femoral fracture
Keyword:
Metastatic bone tumor
,
Bone modifying agent, Atypical femoral fracture
pp.983-988
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000081
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近年がん患者の生命予後の延長により,骨転移患者も増加している。骨転移による病的骨折や脊髄麻痺など,重度の骨関連事象(skeletal related event;SRE)を予防する目的で骨修飾薬が使用される。骨粗鬆症患者への骨修飾薬の長期投与により,非定型大t骨骨折(atypical femoral fracture;AFF)を発症することが知られているが,骨転移に対する骨修飾薬の使用でもAFF 発症の報告があり,注意を要する。骨転移治療に用いられる骨修飾薬の使用用量,使用期間によるAFF の発症リスクには確立した見解が得られていないが,少なくとも長期投与ではAFF 発症のリスクがあるため,注意深い経過観察が必要である。またAFF の発症機序についても,severely suppressed bone turnover(SSBT)の関与が示唆されているが,高用量投与では関与しない可能性も示唆されている。
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