整形外科/知ってるつもり
ビスホスホネートによる非定型大腿骨骨折
萩野 浩
1
,
林原 雅子
2
,
清水 正人
2
1鳥取大学医学部保健学科
2清水病院整形外科
pp.774-777
発行日 2012年8月25日
Published Date 2012/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102428
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■はじめに
最近,長期間にわたるビスホスホネート(BP)治療例で大腿骨転子下から骨幹部にかけての骨折発生が報告され,非定型大腿骨骨折(atypical femoral fracture,AFF)あるいは非定型大腿骨転子下・骨幹部骨折(atypical subtrochanteric and diaphyseal femoral fractures)と呼ばれる.AFFの特徴は,大腿骨の骨皮質幅が厚くなっているにもかかわらず,まったく外傷がないか,屋内での転倒といった軽微な外傷が原因となって骨幹部に横骨折を生じる点である.X線像からは骨折しそうにない骨幹部が簡単に骨折する(simple with thick cortices)ため,“atypical”あるいは“funny”といった冠がつけられる(図1).
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