特集 血菅炎症候群のすべて
4 小型血管炎・ANCA関連血管炎
クリオグロブリン血症性血管炎
岡崎 貴裕
1
,
一瀬 あずさ
2
,
阿部 彰子
2
1静岡医療センター リウマチ・膠原病内科
2同 放射線科
キーワード:
カリオグロブリン
,
免疫複合体
,
鑑別診断
Keyword:
カリオグロブリン
,
免疫複合体
,
鑑別診断
pp.1193-1198
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001741
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37℃以下で血液中の蛋白が沈降する現象をcryoprecipitationと呼ぶ。クリオグロブリン(cryoglobulin:CG)とは,血清あるいは血漿において低温にて沈降し,37℃に加温すると溶解する蛋白質である。沈降物の主な構成蛋白は免疫グロブリンと補体成分である1)。この現象は,1933年,過粘稠度症候群を呈する多発性骨髄腫の患者にみられる現象としての報告に始まり2),1947年には,cold precipitable serum globulinという意味でCGという用語が使用され,現在に至っている3)。定義上,CG血症(cryoglobulinemia)とは,患者血清中にCGの存在を示す用語であり,無症候の患者も含まれる。これら無症候の患者と区別するために,CGを含有する免疫複合体性血管炎症候を示す患者群をクリオグロブリン血症性血管炎(cryoglobulinemic vasculitis:CV)あるいはクリオグロブリン血症症候群(cryoglobulinemia syndrome)と命名している4)5)。
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