Japanese
English
特集 血管炎
冬季に潰瘍を繰り返すクリオグロブリン血症性血管炎の1例
Cryoglobulinemic vasculitis presenting with repeated ulcers in winter
炭竈 晏奈
1
,
福井 ちひろ
1
,
松山 かなこ
1
,
周 円
1
Anna SUMIGAMA
1
,
Chihiro FUKUI
1
,
Kanako MATSUYAMA
1
,
En SHU
1
1岐阜大学大学院医学系研究科,皮膚病態学講座(主任:周 円准教授)
キーワード:
クリオグロブリン血症性血管炎
,
潰瘍
,
Ⅱ型
,
冬
Keyword:
クリオグロブリン血症性血管炎
,
潰瘍
,
Ⅱ型
,
冬
pp.1771-1775
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003571
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72歳,女性。幼少期から手足の冷感があり,数十年前からRaynaud現象があった。6年前と3年前に両下腿に点状紫斑が出現するも自然消退した。2年前に下腿に紅斑が出現し1カ月後に潰瘍化した。病理所見では壊死性血管炎の像を呈し,採血でクリオグロブリン弱陽性,免疫電気泳動でIgM-κ型M蛋白とIgGの混合型グロブリンと判定され,Ⅱ型のクリオグロブリン血症性血管炎と診断した。下肢の保温,プロスタグランジン製剤,ステロイド内服で症状改善するも,冬季に潰瘍を繰り返し,ステロイド増量と免疫抑制薬併用が奏効した。寒冷刺激を受けやすい部位に紫斑や潰瘍を生じた際にはクリオグロブリン血症を鑑別にあげ,早期診断に努める必要がある。
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