今月の主題 デルマドローム—内科疾患と皮膚病変
膠原病・免疫異常
クリオグロブリン血症の皮膚症状
中川 昌次郎
1
1川崎医大皮膚科
pp.1598-1599
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208095
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
正常血清は62℃以下の熱を加えても,逆に37℃以下に冷却しても明らかな肉眼的変化を示さない.加温あるいは冷却によって血清は沈殿凝固,ゲル化など変化をきたす場合があり,これをthermoproteinと総称する.そのうち冷却により変化する蛋白をcryoproteinといい,これにはcryoglobulinと血漿でみられるcryofibrinogenがある.クリオグロブリンはWintrobeら(1933)1)により発見,Lernerら(1947)2)により命名され,それ以来,クリオグロブリンが寒冷に接して種々の臨床症状をひき起こすとともに,その一部がmonoclonalな蛋白であること,さらにあるものは抗原抗体結合物として存在し,immune complex病を解明する手がかりになることから注目されてきた.寒冷に伴ってひき起こされる病的状態はcryopathies3)と呼ばれるが,cryoglobulinemiaはその一つである(表1).
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.