特集 救急IVR手技詳説 with WEB動画
手技詳説編
●血管IVR―腹部
非閉塞性腸間膜虚血
ウッドハムス 玲子
1
1北里大学医学部 放射線科学(画像診断学)
キーワード:
非閉塞性腸間膜虚血
,
NOMI(non-occlusive mesenteric ischemia)
,
血管造影
,
塩酸パパベリン
Keyword:
非閉塞性腸間膜虚血
,
NOMI(non-occlusive mesenteric ischemia)
,
血管造影
,
塩酸パパベリン
pp.1486-1489
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000675
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非閉塞性腸間膜虚血:non-occlusive mesenteric ischemia(NOMI)は動脈に器質的閉塞を伴わないが,様々な要因により腸間膜動脈の攣縮が起こり,腸間膜動脈の血行障害をきたし,進行すると広範囲に非可逆的な腸管壊死をきたす極めて予後不良な疾患であり,1958年にEndeにより初めて報告された1)。当初NOMIの死亡率は70%から90%と報告されていたが,1977年にBoleyらによりNOMIの診断,治療に関するdecision treeが示され,塩酸パパベリンの動注療法が普及してきた結果,近年は50%前後に改善しつつある2)。しかし,この死亡率は,報告以来約50年以上経過したにもかかわらず依然として高いともいえる。これは,症状が非特異的であること,多くの患者が合併する基礎疾患のため理学的所見を得ることが困難なこと,臨床医のNOMIに対する認識不足による診断,治療の遅延が大きく影響している。
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