特集 救急IVR手技詳説 with WEB動画
手技詳説編
●血管IVR―腹部
急性膵炎による出血
森田 賢
1
1東京女子医科大学病院 画像診断・核医学科
キーワード:
急性膵炎
,
出血
,
仮性動脈瘤
,
hemosuccus pancreaticus
Keyword:
急性膵炎
,
出血
,
仮性動脈瘤
,
hemosuccus pancreaticus
pp.1482-1485
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000674
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膵臓からの出血は,外傷性,医原性損傷(膵液瘻),急性膵炎や慢性膵炎急性増悪後の仮性嚢胞に伴うものがある。膵炎後の液貯留は従来は仮性嚢胞と呼ばれてきたが,急性膵炎診療ガイドライン第4版によると,仮性嚢胞は慢性膵炎による膵管の破綻によるものと定義され,膵壊死や脂肪壊死による液貯留は急性期は急性壊死性貯留,4週以降の慢性期は被包化壊死(walled-off necrosis:WON)と呼ばれるようになった1)。このうち,被包化壊死は感染や出血などの発生率が高く,出血した場合は死亡率も高い。出血の形式は,嚢胞内に限局するもの,腹腔内や消化管内に穿破するもの,主膵管内や胆管内に穿破しVater乳頭より出血するもの(hemosuccus pancreaticus)があり,臨床像が異なる2)。本稿では急性膵炎後に生じる出血について述べる。
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