特集 救急IVR手技詳説 with WEB動画
手技詳説編
●血管IVR―腹部
膵損傷
森本 公平
1
1国立病院機構災害医療センター 放射線科
キーワード:
膵損傷
,
止血
,
TAE
Keyword:
膵損傷
,
止血
,
TAE
pp.1418-1421
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000659
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外傷性膵損傷の頻度については様々な報告があるが,腹部外傷のおよそ3~12%程度にみられるとされている。我が国では,原因として交通事故,高所からの転落,暴行,スポーツなどによる鈍的外傷が大部分を占めており,刃物などによる穿通性損傷は1割以下である1)。損傷の機序として,腹部に外力が加わった際に後腹膜に固定された膵臓が椎体により挟まれることで損傷が生じると考えられている。また,膵臓周辺には肝や腎臓,副腎などの実質臓器のほかに,十二指腸などの管腔臓器や腸間膜も隣接しているため,膵臓のみの単独損傷はまれであり,ほとんどの症例では他臓器の合併損傷を伴っていると考えたほうがよい。
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