特集 泌尿器の画像診断と放射線治療
放射線治療
前立腺癌の陽子線治療
石川 仁
1
,
三浦 航星
1
,
関野 雄太
1
,
石田 俊樹
1
,
馬場 敬一郎
1
,
森祐 太郎
1
,
田中 圭一
1
,
大西 かよ子
1
,
奥村 敏之
1
,
櫻井 英幸
1
1筑波大学医学医療系 放射線腫瘍学
キーワード:
前立腺癌
,
陽子線治療
,
寡分割照射
Keyword:
前立腺癌
,
陽子線治療
,
寡分割照射
pp.1601-1611
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000176
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陽子線治療は1954 年に米国で,本邦では1979年に放射線医学総合研究所(以下,放医研)で臨床応用が開始された。当初は眼球など体表近くに存在する限られた腫瘍に対して治療が行われていたが,1983 年に筑波大学で高エネルギーの陽子線を用いることと,当時の放射線治療ではまだ普及していなかったCT 画像を用いた3 次元治療計画を導入することで,前立腺癌など深部腫瘍に対する治療が開始された1)。さらに,陽子線や重粒子線といった荷電粒子線による治療では,体内での飛程を調節できることで線量集中性が維持される反面,毎回の照射で正確な位置の確認が重要となるため,画像を用いた位置照合,すなわち画像誘導放射線治療の先駆け的なセットアップ技術をも導入し,高精度な照射法を早くから実現した。90年代に入り,国内外から良好な治療成績が報告されるようになると2—4),2000 年前後には,国立がん研究センター東病院,静岡県立静岡がんセンター,兵庫県立粒子線医療センターなどで陽子線治療が開始された。
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