特集 消化器外科における周術期栄養療法
Ⅱ.各論 4)肝臓外科(肝癌手術)における周術期栄養療法
種村 彰洋
1
,
野口 大介
1
,
村田 泰洋
1
,
栗山 直久
1
,
岸和田 昌之
1
,
水野 修吾
1
1三重大学肝胆膵・移植外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝硬変
,
免疫栄養
Keyword:
肝細胞癌
,
肝硬変
,
免疫栄養
pp.793-800
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004418
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肝切除,とくに肝細胞癌に対する切除においては,他の消化器領域の手術と異なり,術前より慢性肝炎や肝硬変による栄養障害を伴っている。一方,高齢化に伴い高齢者に対して肝切除を行う機会も増加してきており,若年者に比し栄養状態の低下が懸念される。一方,大腸癌肝転移を中心とした転移性肝癌に対する肝切除においては,術前化学療法が行われているケースも多く,化学療法やその副作用の影響による低栄養についても注意が必要である。また,栄養状態の低下は筋力低下であるサルコペニアとも関連する。とくに肝癌肝切除においては加齢に伴う一次サルコペニアのみならず,背景慢性肝疾患による二次性サルコペニアも考慮する必要がある。これら肝切除に特有の状況を踏まえ,周術期管理について考察する。

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