特集 消化器・一般外科における手術教育の進化と手術手技の継承
Ⅱ 消化器・一般外科における手術手技の継承 6 大腸・肛門 4 開腹直腸癌手術のコツとpitfall
上原 圭
1
,
山田 岳史
1
,
進士 誠一
1
,
松田 明久
1
,
横山 康行
1
,
吉田 寛
1
1日本医科大学付属病院消化器外科
キーワード:
直腸癌
,
開腹手術
,
伝承
Keyword:
直腸癌
,
開腹手術
,
伝承
pp.677-683
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004378
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低侵襲手術が広く普及した現在,開腹手術の教育をいかにして行うかという議論は,昔であれば想像すらしなかったものであろう。大腸癌領域では,1992年に渡邊昌彦先生が大腸癌に対する腹腔鏡手術を導入して以降,急速に低侵襲手術の普及が進んだ。日本内視鏡外科学会によるアンケート調査の結果では,2017年に行われた大腸癌手術症例での腹腔鏡・ロボット・経肛門手術の占める割合は72.2%(27,556/38,155)で,逆に開腹手術の割合は年々減少の一途をたどっている(図1)1).若手外科医が開腹手術を見る機会は激減し,そのコツやpitfallを熟知する外科医は,華やかな低侵襲手術の舞台裏で絶滅の危機を迎えている。

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