特集 ロボット支援肝胆膵外科手術における手術デバイスの選択とその使い方
Ⅱ.総論 2)ロボット支援手術の止血操作における手術デバイスの選択と使い方
小薗 真吾
1
,
刑部 弘哲
1
,
木谷 嘉孝
1
,
末松 友樹
1
,
松本 萌
1
,
永川 裕一
1
1東京医科大学消化器・小児外科学分野
キーワード:
ロボット支援手術
,
止血操作
,
手術デバイス
Keyword:
ロボット支援手術
,
止血操作
,
手術デバイス
pp.1441-1447
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004023
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ロボット支援手術は,さまざまな臓器で保険適用となり,肝胆膵外科領域においても多くの術式で行われるようになった。ロボット支援手術では,高画質3Dカメラによる立体視や手振れを完全に排除した多関節機能を有する自由度の高い鉗子を利用して,繊細な手術操作が可能となるなどの利点がある一方で,ロボットアームの数が制限されることによる術野展開の難度上昇や限られたエネルギーデバイスのなかから最適なものを選択して手術操作を行うなどの工夫が必要となる。とくに肝胆膵外科領域の手術では大血管周囲での操作が必要であり,ひとたび出血をきたせば開腹下でも出血コントロールに難渋することがある。そのためロボット支援手術では適切なエネルギーデバイスを選択し,出血をきたさないようロボット支援手術ならではの丁寧な操作を心掛ける必要がある。また,出血時の対応には,適切なエネルギーデバイスの選択や使用する器具の準備が必要であり,その対処法をあらかじめ助手とシミュレーションをしておくことが的確な止血操作に必須と考える。
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