特集 急性腹膜炎の治療戦略と手術
Ⅱ.原因疾患別の治療戦略 8)虚血性腸炎による急性腹膜炎に対する手術
鈴木 修司
1
,
下田 貢
1
,
島崎 二郎
1
,
宮本 良一
1
,
渡邊 充
1
,
鈴木 隆志
1
1東京医科大学茨城医療センター消化器外科
キーワード:
虚血性腸炎
,
急性腹膜炎
,
壊死型
Keyword:
虚血性腸炎
,
急性腹膜炎
,
壊死型
pp.345-350
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003761
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虚血性腸炎はBoleyらにより,初めて報告された疾患概念で1),主幹動脈に明らかな器質的閉塞を伴わない腸管粘膜の血流障害に起因する腸管の区域性炎症とされている2)。本症は,Marstonらにより病型として壊死型(ischemic colitis with gangrene),狭窄型(ischemic stricture),一過性型(transient ischemic colitis)の3型に分類された2)。病型別では一過性92.1%,狭窄型4.6%,壊死型3.3%と圧倒的に一過性が多い傾向を示し3),多くは可逆的な腸炎である。しかし,狭窄型の一部と壊死型は外科的治療となることがあり,本稿では虚血性腸炎による急性腹膜炎に対する外科的治療について概説する。
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