特集 必携 消化器救急疾患の治療戦略と緊急手術
Ⅱ.各論(治療戦略) 3)虚血性大腸炎(狭窄型・壊死型の治療戦略)
鳥越 貴行
1
,
長尾 祐一
1
,
谷脇 智
1
,
平田 敬治
2
1戸畑共立病院外科
2産業医科大学第1外科
キーワード:
虚血性大腸炎
,
狭窄型
,
壊死型
Keyword:
虚血性大腸炎
,
狭窄型
,
壊死型
pp.1185-1194
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004537
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虚血性大腸炎は突然の腹痛に引き続いて,便意切迫感および下血・血便で発症する急性腹症で,日常診療において遭遇する機会の多い急性腹症の1つである。支配血管に明らかな器質的閉塞を伴わない腸管の血流障害に起因し,併存疾患を有する高齢者だけでなく若年者にも発症する。虚血性大腸炎の病態は保存的治療が中心となる可逆性の粘膜障害である“一過性型”や内視鏡的治療・待機的手術が選択される“狭窄型”および緊急手術の絶対的適応となる“壊死型”まで多岐にわたるため1),迅速かつ的確な診断と病態に応じた初期治療が求められる。本稿では虚血性大腸炎,とくに狭窄型および壊死型の診断と治療に関して詳述する。

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