外科臨床研究に必要な医学統計

本稿では，全生存期間，無増悪生存期間，無再発生存時間など，イベントが発生するまでの時間（生存時間と総称される）1）を評価項目に設定した臨床研究について，医学統計的なポイントを解説する。まず，基本的事項として，カプランマイヤー法を用いた生存曲線，中央値やハザード比の見方を復習したうえで，最近注目を集めている解析手法の1つである期限付き平均生存期間（RMST）について説明する。試験デザインの観点から層別ランダム割付についてのポイントを説明し，最後にサブグループ解析について結果解釈時の注意点を整理する。