特集 外科医のための臨床研究入門
海外の先進施設における外科臨床研究の進め方
小林 光助
1
,
伊藤 寛倫
1
,
井上 陽介
1
,
髙橋 祐
1
1がん研有明病院肝胆膵外科
キーワード:
臨床研究
,
海外留学
,
海外勤務
Keyword:
臨床研究
,
海外留学
,
海外勤務
pp.203-207
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003719
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日本人医師が海外で臨床研究経験することで得られることは何か? 筆者はヨーロッパのアカデミックセンター(ローザンヌ大学病院,スイス)で消化器外科医として勤務し,日本・欧米双方の医療現場を実際に見る機会に恵まれた。その視点から言えば,日本の医療は確かに欧米諸国に匹敵する高い水準にあるのは間違いないが,日本と欧米諸国の治療法や手術手技,患者管理などを比較したときに細かな差異が存在することを実感した。人種や文化,国や地域ごとに,治療方法,医療資源や医療保険制度には多様性がある。これらは,日本が諸外国の新しい医療技術を導入する際の障壁となる一方,日本の優れた技術や知識が世界的に認知されにくい原因ともなっている。患者にとって最新の最も効果的な治療を提供するためには,日本国内だけでなく海外の情報や技術も活用し,日本と諸外国の医療を客観的に吟味する必要がある。海外で臨床研究を行うことは,自国の医療と海外の医療を実際に比較や評価をする良いきっかけとなるのではないかと思われる。
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