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第5土曜特集 現代の臨床研究のための統計学2022――洗練された研究デザインと統計解析を理解してみよう
方法論の近年の発展
ログランク検定・Cox比例ハザードモデルに代わる手法を用いるランダム化比較試験の計画と解析
Statistical design and analysis methods alternative to log-rank test and Cox’s proportional hazards model in randomized controlled trials
野村 尚吾
1
Shogo NOMURA
1
1東京大学大学院医学系研究科生物統計情報学講座
キーワード:
生存時間解析
,
比例ハザード
,
ログランク検定
,
ハザード比
,
制限付き平均生存時間(RMST)
Keyword:
生存時間解析
,
比例ハザード
,
ログランク検定
,
ハザード比
,
制限付き平均生存時間(RMST)
pp.465-472
発行日 2022年1月29日
Published Date 2022/1/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28005465
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がんや循環器では,生存時間変数を主要評価項目とするランダム化比較試験(RCT)が数多く実施される.解析手法はログランク検定,Cox回帰が頻用されるが,これは比例ハザード性を仮定したもとで両手法がよい統計的性質をもつためである.しかし,計画の段階では実際のデータが比例ハザード性に従う保証はなく,比例ハザード性が成り立たない結果となる場面も少なくない.比例ハザード性の前提が崩れるとき,ログランク検定の効率は低下し,ハザード比の臨床的解釈は困難になる.本稿では,比例ハザード性が成立しない状況下での両手法の限界とその対処策について,臨床家向けに解説する.
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