Ⅳ 肝胆膵 ２ 腹腔鏡下肝亜区域切除術

肝亜区域切除は系統的肝切除のなかで最も複雑な手順と切離面をもつため難度は高く，安全かつ正確に完遂するためには各症例の肝局所解剖と脈管走行のバリエーションを正確に理解・把握することが重要である。加えて近接した内視鏡下の視野では細かな解剖把握はしやすいが，方向感覚の喪失による解剖誤認をきたしやすい。本稿では，それらの腹腔鏡手術の特徴をふまえた肝亜区域切除を行うために，われわれの腹腔鏡下高難度肝切除術の土台になる考え方と，実際の肝亜区域切除の手技について述べていきたい。