カラーグラフ 外科手術における新しいテクニック―new art in surgery・9
グリソン一括肝亜区域切除術
片桐 聡
1
,
山本 雅一
1
Satoshi KATAGIRI
1
1東京女子医科大学消化器病センター外科
pp.5-11
発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101992
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はじめに
肝癌,特に肝細胞癌に対する肝切除においては,その根底に存在する肝障害の程度によって切除許容量が限られる.肝区域切除よりも小さな単位での切除が要求される症例は多く,いわゆる肝亜区域切除がこれにあたる.
亜区域切除においても肝葉切除や区域切除と同様に根治性と安全性の両面から系統切除は有効とされている.基本的な亜区域切除は肝内の3次分枝グリソン処理を先行し,その肝表面の色調変化に沿って腫瘍の当該領域を確認して切除していく.
本稿ではグリソン一括肝亜区域切除の概念と,亜区域切除のなかで代表的な中区域下領域(S5)切除,中区域上領域(S8)切除,右区域下領域(S6)切除,右区域上領域(S7)切除,および応用編のS4下S5,S6切除について述べる.
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