特集 閉塞性大腸癌の治療戦略と手術
3.閉塞性大腸癌に対するbridge to surgery 2)経肛門イレウス菅の立場から
池嶋 遼
1
,
柳澤 公紀
1
,
平木 将之
1
,
畑 泰司
1
,
武田 裕
1
,
村田 幸平
1
1労働者健康安全機構 関西ろうさい病院外科
キーワード:
閉塞性大腸癌
,
経肛門イレウス管
,
bridge to surgery
Keyword:
閉塞性大腸癌
,
経肛門イレウス管
,
bridge to surgery
pp.552-559
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003275
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閉塞性大腸癌は全大腸癌の3.1~15.8%に認められ1),腫瘍による腸管閉塞により閉塞性大腸炎や腸管内容の停滞に伴うbacterial translocationなどをきたすことが多く,減圧が遅れると口側腸管の穿孔により膿瘍形成や腹膜炎に至る危険性があるため,緊急処置を要するoncologic emergencyである。また,患者の全身状態が不良であったり,口側腸管の拡張や腸管壁の浮腫を認めたりする場合が多く,緊急手術による一期的な切除・吻合を行うことは縫合不全などの周術期合併症のリスクが高い。そのため,人工肛門造設や経肛門イレウス管,大腸ステント(self-expandable metallic stent;SEMS)による閉塞解除処置(bridge to surgery;BTS)を行ってから原発巣切除を行うことで短期成績の向上に繋がると報告されている2)。
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