特集 閉塞性大腸癌の治療戦略と手術
3.閉塞性大腸癌に対するbridge to surgery
松田 明久
1
,
池嶋 遼
2
1日本医科大学消化器外科
2関西ろうさい病院下部消化器外科
pp.545-545
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003273
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閉塞性大腸癌に対する腸管減圧後の一期的切除の安全性が示されているが,最適な腸管減圧法に関する議論が依然としてある。大腸ステントの普及は閉塞性大腸癌治療戦略に大きなパラダイムシフトをもたらし,エビデンスも集積されてきている。しかし,わが国においては経肛門的減圧管が頻用されてきたという特殊な状況があり,標準治療とされてきた緊急手術とともに,経肛門的減圧管との比較も重要である。これまでの検討から,大腸ステントの経肛門的減圧管に対する短期成績の有用性,そして長期成績においては,少なくとも同等性が示唆されている。さらに患者・外科医の利便性,QOL の観点からも大腸ステントが優れていることから,留置技術が担保されていることが前提であるが,腸管減圧法として大腸ステントに優位性がある。
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