手術手技
腹腔鏡下噴門側胃切除後観音開き法再建における自動吻合器を使用した簡便な再建手技
柳本 喜智
1
,
小田切 数基
1
,
川瀬 朋乃
1
,
今村 博司
1
1市立豊中病院外科
キーワード:
腹腔鏡下噴門側胃切除
,
観音開き再建
,
自動吻合器
Keyword:
腹腔鏡下噴門側胃切除
,
観音開き再建
,
自動吻合器
pp.1489-1493
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002933
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噴門側胃切除後の再建方法は施設によってさまざまで,食道残胃吻合,ダブルトラクトや空腸間置などがある1,2)。そのなかでも食道残胃吻合は最も生理的な再建法であり,食物のすべてが残胃に流入することによる栄養学的なメリットや,内視鏡による残胃の観察面などにおいて優れた術式といえる。しかし,食道残胃吻合は逆流性食道炎のリスクが高く,再建時に逆流防止機能の付与が必須である。観音開き法再建3)は上川らによって報告された強力な逆流防止機能を有する食道残胃吻合であるが,同術式は再建のすべてを手縫いで行う必要があり,腹腔鏡手術で行うには高度の技術を要する。それゆえに同術式のメジャーな合併症である吻合部狭窄は4.7~29.1%と施設によってばらつきがあり4-6),現在は一部の腹腔鏡手術に熟練した術者が行うのみとなっている。
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