特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
胃外科 6 噴門側胃切除後の再建法 ダブルトラクト法の立場から
江藤 弘二郎
1
,
吉田 直矢
1
,
山下 晃平
1
,
岩槻 政晃
1
,
岩上 志朗
1
,
馬場 秀夫
1
1熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学
キーワード:
腹腔鏡下噴門側胃切除
,
ダブルトラクト法再建
,
オーバーラップ法
Keyword:
腹腔鏡下噴門側胃切除
,
ダブルトラクト法再建
,
オーバーラップ法
pp.468-476
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001619
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近年,早期胃癌に対して縮小・機能温存手術が行われることが増えている。PGSAS(Postgastrectomy Syndrome Assessment Scale)試験の結果,上部早期胃癌・食道胃接合部癌に対する噴門側胃切除は,胃全摘と比較して下痢やダンピング症状が少ないこと,食事量が保たれ,体重減少が少ないことが報告されている1)。今後,上部胃癌・食道胃接合部癌が増えることが予想され,根治性を担保できる郭清範囲の設定とともに,良好な術後QOL(quality of life)を維持できる再建法の確立が望まれる。胃癌治療ガイドラインでは,噴門側胃切除の対象として,胃上部の腫瘍で1 / 2以上の胃を温存できる症例と記載され,再建方法に関しては食道残胃吻合・空腸間置法・ダブルトラクト法が記載されている2)。
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