特集 消化器・一般外科におけるCommon Diseaseの手術 エルステから高難度まで
Ⅲ 鼠径部ヘルニア手術 8 TAPP法の理解のカギ─再発防止と高難度手術に役立つ手術手技
植野 望
1
1大阪府済生会吹田病院ヘルニアセンター
キーワード:
TAPP
,
腹膜前剥離
,
鼠径部ヘルニア
Keyword:
TAPP
,
腹膜前剥離
,
鼠径部ヘルニア
pp.603-622
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002163
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時代は腹腔鏡手術,そしてロボット支援手術の時代となり,外科医の教育は様変わりした。腹腔鏡手術の登竜門はラパアッペ,ラパヘル,ラパコレといった具合に,新しい時代のエルステ手術が系統化されて久しい。これら現代の腹腔鏡下エルステ手術のなかで,ラパヘルは勝手が違い,スコープオペレーター以外には助手が存在しない,いわゆるsolo-surgeryである。胃切除や大腸切除であれば,助手が視野の展開と対側緊張で一助となり,術者のスキルは両手の動きとともに助手への指示・指導に反映される。ところがラパヘルでは,左手が術者であると同時に助手でなければならない。下手をすれば右手までもが助手の役割を担う局面がある。
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