総特集 消化器・一般外科手術における感染対策・周術期管理
Ⅱ.各論 11)炎症性腸疾患手術における感染対策・周術期管理
大北 喜基
1
,
大井 正貴
1
,
内田 恵一
1
,
問山 裕二
1
1三重大学大学院消化管・小児外科学
キーワード:
炎症性腸疾患
,
周術期管理
,
術後合併症
Keyword:
炎症性腸疾患
,
周術期管理
,
術後合併症
pp.1787-1795
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001946
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近年の炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)に対する内科的治療は,従来から使用されてきたステロイドとともに免疫調節薬,生物学的製剤などの新しい薬剤が開発され,治療薬の選択は多様化している。内科的治療の進歩により手術率は減少しつつあるが,内科治療抵抗性や腸管合併症などの理由で手術を余儀なくされる症例はいまだ少なくない。手術適応となった症例では低栄養,貧血,感染性合併症,高サイトカイン血症などの病態が併存していることが多く,さらに免疫抑制治療が行われている場合が多いため,感染性合併症を主とした術後合併症が高率に起こりやすいと考えられる。手術成績向上のためにはIBD特有の病態,治療について十分に理解し,多角的なアプローチによる周術期管理を行うことが重要である(図1)1)。
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