総特集 消化器・一般外科手術における感染対策・周術期管理
Ⅱ.各論 10)直腸手術における感染対策を中心とした周術期管理
大木 岳志
1
,
板橋 道朗
1
,
中川 了輔
1
,
小川 真平
1
,
井上 雄志
1
,
山本 雅一
1
1東京女子医科大学消化器外科学教室
キーワード:
直腸
,
SSI
,
クリニカルパス
Keyword:
直腸
,
SSI
,
クリニカルパス
pp.1777-1785
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001945
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直腸は狭い骨盤内に存在し,男性では膀胱・前立腺・精嚢,女性では腟・子宮などの臓器が隣接している。また,直腸周囲には温存すべき骨盤内臓神経などの自律神経が存在する。直腸癌はその解剖学的特徴から結腸癌と比較して再発率が高く,その根治性と機能温存の両立を図る必要がある。このようななか,直腸癌の腹腔鏡手術はその拡大視効果から,近年では一般的となりつつある1)。さらに2018年4月からロボット支援下直腸手術が保険収載となり,多関節機能を有した鉗子や3D画像による視認性から当教室でも標準的に行われるようになった2)。直腸手術の合併症の特徴として,結腸手術に比べ縫合不全のリスクが高いため,一時的な人工肛門の造設を行うこともあり,結腸手術と違った対応が必要となる。本稿では,当教室で行っている感染対策を中心とした周術期管理について概説する。
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