特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
肝胆膵外科 19 膵頭十二指腸切除における幽門の処理 幽門輪切除膵頭十二指腸切除(PrPD)の立場から
川井 学
1
,
山上 裕機
1
1和歌山県立医科大学第2外科
キーワード:
幽門輪切除膵頭十二指腸切除
,
幽門輪温存膵頭十二指腸切除
,
胃排泄遅延
Keyword:
幽門輪切除膵頭十二指腸切除
,
幽門輪温存膵頭十二指腸切除
,
胃排泄遅延
pp.676-685
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001658
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膵頭部領域の腫瘍に対して施行される膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy;PD)では,もともと2 / 3胃切除が行われていたが,1978年にTraversoとLongmireが術後の消化吸収機能を温存する目的で,幽門輪温存膵頭十二指腸切除(pylorus-ring preserving pancreaticoduodenectomy;PpPD)を提唱した1)。その後,胃排泄遅延を減少させる目的で2007年に亜全胃温存膵頭十二指腸切除(subtotal stomach preserving pancreaticoduodenecomy;SSpPD)が考案された2)が,胃前庭部のどの部位で切除するかという定義が曖昧であった。2011年,われわれは,幽門輪のみを切除し,すべての胃を温存する幽門輪切除膵頭十二指腸切除(pylorus-ring resecting pancreaticoduodenectomy;PrPD)という術式を提唱した3)。本稿では幽門輪切除という立場からPrPD(SSpPD)について,その有用性について述べる。
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