特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
肝胆膵外科 19 膵頭十二指腸切除における幽門の処理
川井 学
1
,
渡邉 雄介
2
1和歌山県立医科大学第2外科
2九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科
pp.675-675
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001657
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幽門輪温存膵頭十二指腸切除(PpPD)では,胃の貯留能は温存されるが,郭清に伴う迷走神経支配の喪失や血流の乏しくなった幽門輪の存在は胃排泄遅延(DGE)の危険因子になる可能性がある。幽門輪のみを切除し,すべての胃を温存する幽門輪切除膵頭十二指腸切除(PrPD)〔=亜全胃温存膵頭十二指腸切除(SSpPD)〕とPpPDとのメタ解析では,PrPDはPpPDよりDGEを減少させた(OR 2.71,95%CI 1.48~4.96,P=0.001)と報告している。さらに,長期成績として幽門輪切除はダンピング症候群などの晩期合併症,栄養状態,体重変化において幽門輪温存と比較して同等な成績であった。
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