特集 大腸癌手術におけるリンパ節郭清の理論と手技
右側結腸癌に対する腹腔鏡下リンパ節郭清
山口 茂樹
1
,
近藤 宏佳
1
,
原 聖佳
1
,
石井 利昌
1
,
平能 康充
1
,
小原 尚
1
1埼玉医科大学国際医療センター下部消化管外科
キーワード:
腹腔鏡下結腸右半切除術
,
リンパ節郭清
Keyword:
腹腔鏡下結腸右半切除術
,
リンパ節郭清
pp.259-263
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001572
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わが国では大腸癌手術における中枢側のリンパ節郭清が重んじられてきた。過去のリンパ節転移部位の検討から腸管軸方向の転移は比較的少ないことが認識されており,欧米の腸管を長く切除する方法に比べて理にかなった手術と考えられる1)。左側結腸癌の中枢郭清は欧米でも高位結紮としてD3に近いものも行われるが,右側結腸癌は結腸間膜切除にとどまっていた。近年欧米でもCME(complete mesocolic excision)+CVL(central vascular ligation)の提唱により右側の中枢郭清も注目されてきている。わが国の中枢郭清は上腸間膜静脈(superior mesenteric vein;SMV)中心の,いわゆるsurgical trunkの郭清が重視されてきたが,大腸癌取扱い規約では動脈のみが図示されており2),適正な郭清範囲は定まっていない(図1, 2)。
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