特集 外科解剖に基づく腹腔鏡下横行結腸癌手術
腹腔鏡下横行結腸癌手術で留意すべき腸間膜血管の解剖
山口 茂樹
1
,
平能 康充
1
,
石井 利昌
1
,
近藤 宏佳
1
,
原 聖佳
1
,
鈴木 麻未
1
1埼玉医科大学国際医療センター下部消化管外科
キーワード:
中結腸動脈
,
中結腸静脈
,
胃結腸静脈幹
Keyword:
中結腸動脈
,
中結腸静脈
,
胃結腸静脈幹
pp.1167-1171
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001302
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横行結腸切除術がなぜ腹腔鏡手術のランダム化比較試験から除外されてきたか。1つの理由は血管解剖の複雑さと考えられる。横行結腸は主に上腸間膜動静脈系の支配であるが,ときに下腸間膜動静脈系支配となる部分も存在する。また,血管の分岐形態は非常にバリエーションに富んでいるため処理する血管もさまざまであり,横行結腸癌切除の術式も結腸右半切除から脾彎曲部の結腸切除まで多様である。最近は3D-CT画像の進歩により,術前に血管分岐形態を把握できることも多くなったが,認識されない細い分枝が存在することもあり,基本的な分岐形態の理解とともに比較的よくみられるバリエーションについて把握することは重要である。
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